賃貸経営の基礎となる キャッシュフロー
みなさんこんにちは、木村です。
今日は、賃貸経営をしているオーナー様、もしくはこれから賃貸経営をお考えの方に、賃貸経営を安定させるためのポイントをお伝えします。
それは、賃貸経営を行っていく上で、オーナー様ご自身の手元に残る現金を最大化することが、経営を安定させるということ。
そのためには物件毎の経営状況を把握しておく必要がありますが、そのために必要な知識が『キャッシュフロー』となります。
キャッシュフローとは、経営における現金の流れ(キャッシュの動き)を指します。
資金の流入(キャッシュ・インフロー)と流出(キャッシュ・アウトフロー)を合計したもので、賃貸経営においては収支の計算を行う際に用いられます。
まずはどのようにキャッシュフローを計算するのか、オーナー様ご自身が理解する必要があります。
まずは、下記の表をご覧ください。
この表は、ある物件のキャッシュフローツリーになります。
基本的な設計として、④潜在家賃収入から⑥空室ロスを引くと、⑤実質家賃収入が算出されます。
⑤実質家賃収入から、3.支出項目を引いてあげると、物件の4.営業純利益が算出されます。
そこから5.借入返済額を引いてあげると6.キャッシュフロー税引前が算出されます。
当該物件は、
→2020年には6.キャッシュフロー税引前が102万円残っていますが、
→2025年になると平均家賃が2,000円下がり、
→慢性的な空室が1部屋出てしまっている状況になってしまい、
→その結果6.キャッシュフロー税引前が19万円となってしまっております。
5年間で家賃が2,000円下がっていることを考えると、2030年にはさらに2,000円下がることが想定され、そうなると6.キャッシュフロー税引前がマイナス7万円となり赤字経営に転落します。
この賃貸経営におけるお金の流れを、物件毎にきちんと把握しておくことが大事です。
なんとなく感覚で経営をしていると気づいた時には、大幅な赤字となっている場合があるので注意が必要です。
【物件の経営状況を改善するために】
1)空室を埋める
現状で満室経営となった場合、4.8万円×12か月の収入が増えるため、年間で57.6万円程、 6.キャッシュフロー税引前を増やすことができます。
空室を決めるために掛ける対策費用は、増える収入×2~3年分が目安となります。
この場合、約115万円~約172万円くらいとなります。
2)返済比率が高すぎる
右側の表を見てもらうとわかるのですが、総潜在家賃収入461万円に対して返済額が290万円となっており、返済比率が目安の数値(総潜在家賃収入の55%以下)を上回り62.9%となっております。
こんなケースの場合は、建築当初の計画に無理があった可能性が高いですが、この場合早めに売却して、違う物件で再度経営を行うことも選択肢に入れるとよいかもしれません。
このようにキャッシュフローを見える化して、早めに判断できる状況の中で、賃貸経営を行うといいでしょう。
さて、もうすぐゴールデンウィークが近づいており、終わればあっという間に2025年も半年が過ぎようとしております。
今年も例年以上に月日が経つのが早いと感じておりますが、まずはしっかり足元を固めながら一歩づつ進んでいければと思います。
やっと過ごしやすい気候になりましたがまだまだ油断は出来ません、皆様お体には十分お気をつけください。
木村でした。